You Tube、Google Video、Bolt、Grouper等動画投稿サイトの成長性の高さと課題の重さ

You Tube、Bolt、Grouper、My Spaceをはじめとする米国系動画投稿サービスが大人気で、莫大なPVを稼ぎだしている。また国内でもmixiなど人気SNSに動画投稿機能は実装され、携帯版SNSのモバゲータウン等にも動画投稿は実装されてきている。しかし、動画投稿サービスの人気の要因は、課題要因としても大きな問題になってきている。

動画投稿サイトの人気の動画は違法性が高いものが多い

You Tube、BoltやGrouper等米国で人気の動画投稿サイトは、驚く程の短期間で急成長を遂げた。

しかしPVを稼ぎだしている目玉となる動画は、投稿者のオリジナルコンテンツでなく、著作権処理を全くされていない無断使用の人気テレビ番組(バラエティ、ニュース、アニメ、ドラマ等多様な分野、古い作品も多い)、音楽クリップ、映画(１０分以下に分割してアップロードされていることが多い)など違法性が高い動画が中心である。

大金をかけて作られた非常に素晴らしい動画が、いつでも、好きなだけ、無料でオンデマンド視聴できるのだから、人気が集まって当然と言える。動画を盗み見ているP2Pの動画共有ダウンロードサービスに極めて近い価値提供モデルである。

また動画投稿サイト上の動画を、自由にブログに貼付けるなどのマッシュアップも可能なため、自社サイト以外のCGMの視聴者の巻き込みも、さらに加速する。

しかし、当然の結果であるが、You Tube、BoltやGrouperなど人気動画投稿サイトは、昨年末から集中的にUniversal Music(NBC Universal)などコンテンツホルダーに訴訟されまくっている。

著作権保護対策として、最近、My Space等各動画投稿サイトは、違法な動画がアップロードしにくくなる、Audible Magic社などのビデオ動画フイルター技術(Video Filtering solution)の導入などを進めている。

動画フイルター技術などによって、動画投稿サイトは、おそらくクリーンな場になっていくだろう。しかし、それによって動画投稿サイトの魅力は大幅に失われてしまうのだろうか？

コンテンツホルダー側がYou TubeやMy Spaceなどと組んで、新しい動画視聴体験を提供するビジネスモデルを試している。動画投稿サイトがコンテンツライセンスを支払う形でのコンテンツシェアや収益(広告収入)シェアモデルなどが試されるという。

”例えばFox、CBS、NBC、Viacomは、人気ソーシャルネットワーキングサイトMySpaceでビデオコンテンツをホスティングするというNews Corp.の提案について話し合った。”
>>情報ソース[Julia Angwin, Matthew Karnitschnig，The Wall Street Journal]

CGMの人気も加速し続けるし、ネット上のオンデマンド動画視聴ニーズが高いのも明らかなこと。著作権問題をクリアにしたCGMベースの前向きな動画視聴のビジネスモデルが今後生まれてくることを期待したい。

ニュースソース
●ITMedia｜［WSJ］ 「Googleが違法サイト支援」——メディア企業が非難
●ITMedia｜［WSJ］ YouTube対抗サイト、Foxなど大手メディアが検討