ユーザー・動画投稿共有サイト・コンテンツホルダーの３者が皆満足するバランスの取れたバリュープロポジションとは何か

You TubeやMy Space等"新興"の動画投稿共有サイトは、”企業的”であることを放棄して、とにかく徹底的なユーザー中心主義によって、ユーザーを大満足させて、PVを稼ぎだすのがネットビジネスの常である。大抵、ユーザーは、自由に何でもできる所、摩擦が少ない所、ストレスが少ない所を好むため、１００％ユーザー主義の新興サイトは大人気になる。が、結果として、莫大なPVと引き換えに、何らかの大きな問題を抱えることになる。例えば、動画投稿サイトの場合は、違法性が高い著作権処理されていない動画やパロディの山となる。

しかし、新興サイトも規模が大きくなってくると、いつまでも子供のままではいられない。今までのようにユーザーを満足させることだけを考えるのではなく、極めて企業的、大人になること、すなわちビジネス主体者としての企業責任を求められるようになる。

新興サイトであるYou Tube(親会社Google)、My Space(親会社News Corp)、Bolt、Grouper(SPE)といった動画投稿共有サイトは利用者が拡大し、膨大な違法動画を溜め込んでいる。彼らは、EMI、NBC Universal等コンテンツホルダー側の訴訟の対象になりだした。

今後、動画投稿サイトは、著作権を意識した取り組みに力を入れなければならない。動画フイルター技術などの導入によって、違法動画は、今後アップロードしにくくなるだろうし、削除されていくだろう。これらの対応によって、動画投稿サイトは、昔と比べて、融通が利かない場所、居心地が悪い場所と、ユーザーに思われてしまうかもしれない。

しかしコンテンツホルダーの言いなりになるだけでもユーザーにとってのサイトの魅力といった点でバランスが悪いし、ユーザーの言いなりになるだけでもビジネスとしてのバランスは悪いだろう。勿論、ネットビジネスはユーザー中心主義で展開し続けなければ、そもそも持続的にサービスを成長させていくことはできないから、ユーザーを最重視するべきであろう。

おそらく最も大切なことは、ユーザー・動画投稿共有サイト・コンテンツホルダーの３者が皆、満足するバランスの取れた価値体系を生み出すことだろう。３者が、それぞれの異なる利害をぶつけ合うのではなく、協調して、バランスの取れた動画共有サービスへと進化させていくことが大切だろう。

おそらく、最も譲歩するべき、成長するべきなのは”顧客を支援する、擁護するアドボカシー・マインド”が一番弱いコンテンツホルダー側であろう。

コンテンツホルダー側は、ユーザーパワーを上手く活用して、ユーザーを徹底的に支援することによって儲ける新しいビジネスモデルを生み出すべきであろう。

それはYou TubeやMy Space等SNSや動画投稿サイトとそのユーザー達と上手く共存できる道を探すことに他ならないだろう。

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