2007
楽天が2月15日に2006年12月期連結決算を発表した。全体として見れば「売上高は順調に伸びたが、利益は落ち込んだ」。この決算において、特に注目すべき点は、楽天のコア事業(楽天ショッピング・楽天トラベル・証券)とその他ノンコア事業(ポテンシャル成長分野と新規事業投資分野)で大きな明暗を分けている所であろう。
楽天のコア事業(ECサービス)である、ショッピング、トラベルは最大手のリーダーとして、証券もイートレード、松井証券に次ぐ三番手集団といった所であるが、非常に高成績と言える。
楽天ショッピングの経営指標である、PV、会員数、クロスセル率、購買単価、ARPU、店舗数も順調に(非常に苦労をしているが)増加。楽天トラベルのホテル宿泊客数はJTBの75%に迫る程に成長している。
楽天がナンバーワンであるコア事業においては、それぞれ競争が激しいゆえに、悩みは尽きないだろうが、上手くやっていると言えるだろう。問題はノンコア事業の方である。
楽天のノンコア事業は、業界トップに君臨するコア事業と比べて、あまりにも平凡すぎるのである。インフォシーク(Infoseek)も楽天ブログ等CGMも中途半端な存在であり、印象は非常に薄い。他社に圧倒的に勝る際立った特徴もなければ、これらのポータルやCGM分野が、コア事業のEC分野と特に強く連帯している訳でもない。
インフォシークは、スタープロダクトを持っていないことが非常に問題である。Googleやヤフーのような現在伸び盛りである検索エンジン連動型広告(P4P=Pay for Performance)事業を持っていない。
そもそもポータルとしてヤフーに水を大きく開けられているインフォシークは、通常の広告ビジネスにおいても厳しい。コンテンツ販売分野もまだまだこれからである。
ポテンシャル事業と位置づけられているインフォシークとCGM分野が、本当にポテンシャルを発揮するように経営していくには、抜本的な見直しが必要だろう。しかし、この戦略的ポジションの変革という仕事は、あまりにも厄介な仕事だ。
ネットビジネスの歴史的に見て、3番手以下のポータル事業やコミュニティ・CGM事業の挽回は極度に難しい。また楽天は、ニッチな成功で満足して良い企業ではない。
現在、注目を浴びているブログ、SNS、動画投稿共有などのCGM分野は、莫大なリーチを獲得するが、依然として収益性は脆弱であり、技術革新やサービス進化が非常に早く、不確実性が高い分野である。上手い投資をするのはかなり難しい。
いずれにしても、楽天のコア事業であるECサービスと上手くノンコアを結びつける努力(ポータルやCGMがもっとECの導線になる、もっと購買動機の醸成につながる、もっとクチコミネットワークにつながる、もっとユーザーの自発的な力を活用する。。。)が今まで以上に必要なのは確かだが、問題なのは、その努力の中身である。並ではない画期的な中身が必要であろう。
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