CGM上でのユーザー参加型ブランディドエンタテインメント

SNS最大手のmixi上でフォトストーリー・Web小説型連続ドラマ広告が３月１日から開始予定。一般的にこの手のブランディドエンタテインメント(ショートムービー形式が多い)という広告手法は、商品サービスをプレイスメントした(プロダクトプレイスメント広告手法：映画やテレビ番組のドラマなどのワンシーンに商品サービスを自然と組み込み宣伝する｜人気ドラマ「SEX and the CITY」のプラダクトプレイスメント広告(ファッションアイテムなど流行商品をドラマ内に挿入)が有名な事例)１０分程度の短編シリーズ形式のムービー型広告をネット経由でブロードバンド配信するだけの一方向の広告展開となるものが多い。

ブランディドエンタテインメントは数年前、日本でも一時期流行った。日産やNECなどのショートムービーが有名である。BMW Filmsなど人気のブランディドエンタテインメントは米国の場合、ケーブルテレビの広告としても再利用され、配信される場合もあった。

今回の試みでは、mixiの日記等交流ツールの活用をはじめ、数多くのユーザーを巻き込むCGM、SNSならではの「ユーザー参加型の仕組み」を「フォトストーリーとWeb小説型ドラマ」広告手法に持ち込み、効率的かつ効果的に広告効果を高める複合的な広告手法となっている。

結果として、ブランディドエンタテインメント手法の真骨頂である「娯楽性とクリエィティブ性の高いエンタテインメントコンテンツの持つ高いブランド訴求効果、特にドラマ演出ならではの感情に深く訴えるエモーショナルインパクトの極大化」だけでなく、数多くのユーザーを巻き込むことによって、mixi上のユーザークチコミも最大化するのが狙いだ。

BMW Filmsなどの成功例を持つブランディドエンタテインメントは、短編のショートムービなどをネット経由のブロードバンド配信することを通じて、商品サービスの価値観やメリット、ブランドパーソナリティを感情に強く訴求する手法。既存のバナー広告などが弱いとされるクリエイティブ効果を補完できる。

BMW Filmsのように商品(車)をムービー内でフィーチャーしてダイレクトに商品特徴(車の性能やドライビングの楽しさ)を訴求するムービーや、SKY Vodka(若者向きのクールなウォッカ)のように会社や事業のブランドイメージ強化を狙ったブランドテイスト(若者を支援する会社の姿勢や若者にクール、先進的かつ芸術的な会社であるというイメージを醸成する狙いなど)訴求型ムービーなどがある。

＊mixiの今回のブランディドエンタテインメント手法は、常套手段のショートムービー(動画)形式でなく、テキストと写真中心の「フォトストーリー」と「Web小説」のため、動画に比べて、カスタマイズ性に優れ、利用状況に応じて、臨機応変に可変しやすい点から、既存のmixiの機能活用との適合も容易と思われる。

ユーザーの滞在時間や利用頻度(リピート率)が高いmixiは、ブランド露出効果が特に高い場所と考えられるため、どれだけ(娯楽性の高いストーリー)映像や画像をしっかりと見てもらえるか(ブランド露出時間)が重要な広告指標となるブランディドエンタテインメントを実践する舞台として適切であろう。

さらにmixiのようなCGMは、社交・情報発信・情報共有の場そのものであり、クチコミマーケティング実践においても最高の舞台である。ブランディドエンタテインメントは、自然発生的なクチコミ醸成の火種(ユーザーに無報酬の自然発生的なオーガニックワム：ワム＝WOM=Word of Mouth)としてもおおいに期待できるだろう。

ユーザーの参加のさせ方(アイデアとCGMツールの活用)次第で色々なことができ、複合的な広告効果が期待できるCGM上でのユーザー参加型ブランディドエンタテインメントは今後試す企業が増えるだろう。

＊注意：筆者は、mixiプレスリリースの「ドラマ広告」という名称から、先入観で、すっかりショートムービー形式の動画ベースの広告展開だろうと思いっきり誤解してしまいました。mixiにログインして該当ページをじっくり熟読してびっくり。。そのため、この記事は内容がかなりガタガタになってしまいました。。。動画じゃない「フォトストーリーとWeb小説」を「ドラマ」と言ってしまって良いのかなあ？と少し疑問を持ちますが。。。

株式会社ミクシィ（東京都渋谷区、代表取締役社長：笠原 健治）は、
3月1日より同社が運営するSNS『mixi』で、mixi上で展開するユーザー参加型の
ドラマ広告「mixi x ドラマ」を開始いたします。
「mixi x ドラマ」は、mixi上のWeb小説を軸として、ユーザーと登場人物が
「マイミクシィ」として繋がったり、登場人物によるmixi日記を読むことができる、
新しい形態の広告です。
mixiユーザーのログイン率の高さを考慮して、高い頻度でコンテンツの更新を
行い、商材や企業の認知の向上やファン層の拡大を目的としています。
「mixi x ドラマ」の特長は以下の通りです：
□ 毎日更新されるWeb小説（平日のみ）
□ 登場人物にmixi公認アカウントを貸与し、日記やフォトアルバムを更新
□ 登場人物とユーザーが「マイミクシィ」となることが可能
□ 登場人物への紹介文や、応援メッセージによる参加が可能
□ ストーリー展開にユーザーが参加
□ プロフィールや本文中に関連キーワードによる協賛企業による広告を掲載
□ 登場人物のmixi日記上でサービスの実写など協賛が可能な仕掛けを準備
□ 広告主企業は、登場人物をスポンサー（主人公へのスポンサードは除く）

mixiプレスリリースより

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